Azure VMのバックアップからディスクをリストアしてVMを再作成する手順

2021-04-25Azure,Bcakup(Recovery Services),Managed Disks,Virtual Machine

仮想マシン(Azure VM)のバックアップからディスクをリストアする手順です。
リストアしたディスクから新規に仮想マシンを作成する手順も紹介しています。
リストアしたディスクと共に作成されたテンプレートを利用して仮想マシンを作成する手順についても紹介しています。

※本記事では、Azure Virtual Machines(Azure VM)を仮想マシンとして表記しています。
※本記事では、Azure Managed Disksをディスクとして表記しています。
※本記事では、Rocky Linux release 9.3の仮想マシンを利用しています。

スポンサーリンク

仮想マシンのバックアップからディスクをリストアできる

Recovery Services コンテナーの概要、設定、仮想マシンのリストア方法

Azure re Recovery Services コンテナーの概要、リソース作成手順、バックアップポリシーの作成手順などはこちらで紹介しています。
リストア方法のパターンなどもこちらで紹介しています。

仮想マシンのバックアップからディスクのみ復元できる

仮想マシンのバックアップからディスクのみ復元する事もできます。

復元シナリオ

復元したディスクを利用して、仮想マシンを作成することもできます。
可用性セットなど、新規に仮想マシンを作成する方法では対応できない要件に合わせた仮想マシンを作成することが可能です。

仮想マシンのバックアップからディスクをリストアする手順

仮想マシンのバックアップからディスクをリストア

仮想マシンのバックアップからディスクをリストアします。
VMの復元からディスクをリストアします。
復元の種類にディスクの復元を選択します。

リストア対象の仮想マシンに影響はありません。
ディスクのリストアは、仮想マシンを起動した状態で実行できます。

ディスクのリストア手順
保護されたアイテムのバックアップアイテムを選択します。
バックアップ管理の種類でAzure Virtual Machineを選択します。
バックアップアイテムの選択(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

バックアップ対象の仮想マシンが表示されます。
ディスクをリストアする仮想マシンで、VMの復元を選択します。

VMの復元(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

復元ポイントを選択します。
バックアップポイントから復元ポイントを選択します。

復元ポイントの選択(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

リストア方法の選択です。
ディスクをリストアする場合は、復元の対象で新規作成、復元の種類でディスクの復元を選択します。

テンポラリーで利用するストレージアカウントを指定します。

設定が完了したら復元を開始します。

ディスクの復元(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

ディスクをリストアした場合のジョブ実行結果

リストアのジョブ実行結果を確認します。
ジョブの詳細のJob TypeにRecover disksと表示されます。
ジョブの詳細には、Blobとして保存されているConfigやテンプレートの情報も表示されています。

ディスクをリストアした場合のジョブを確認

ディスクのリストアが正常終了すると、状態が完了となります。
ディスクとしてリストアした場合も、操作は復元となります。

※ディスクのリストアに失敗した場合は、状態に失敗と表示されます。

ディスクの復元のジョブ(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

詳細を表示します。
ディスクのリストアの場合は、Job TypeにRecover disksと表示されます。
Configやテンプレートの保存先も詳細から確認できます。

ディスクの復元ジョブの詳細画面(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

BLOBコンテナーにConfigやテンプレートのjsonが保存されている事が確認できます。

ディスク復元ジョブの保存先BLOBコンテナー(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)
新規にディスクが作成されている事を確認できます。
新規に作成されたディスクには、仮想マシンが接続されていません。
【リストア前のディスク】
ディスクリストア前のディスク状態(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)
【リストア後のディスク】ディスクリストア後のディスク状態(仮想マシンバックアップからディスクをリストアする手順)

—広告—

リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順

ディスクから仮想マシンを新規作成

リストアしたディスクから、仮想マシンを新規作成します。
新規に作成する仮想マシン名はrestore-vm-02としています。
通常の仮想マシンと同じ手順ですが、選択できない項目があったり少し異なる点があります。
バックアップ元の仮想マシンOSの設定を引き継ぐため、ユーザー名の指定がありません。

ディスクから仮想マシンを作成する手順

リストアしたディスクを選択します。
VMの作成を選択します。

ディスクでVMの作成を選択(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

基本タブの設定です。
イメージにリストアしたディスクが表示されています。
リージョンやセキュリティの種類など、リストア元の仮想マシンの設定から変えられない項目があります。

※可用性ゾーンは設定できるのですが、リストアしたディスクと異なるゾーンを選択するとエラーになります。

 

 

仮想マシンの作成設定画面(基本タブ)(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)
仮想マシンの作成設定画面(基本タブ)(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)
可用性ゾーンエラー例(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

ディスクの設定タブです。
OSディスクの設定は変更できません。

仮想マシンの作成設定画面(ディスクタブ)(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)
通常の仮想マシン作成時と同様に、ネットワークなどの設定を行います。
同じ手順で、リストアしたディスクから仮想マシンを作成できます。

ディスクから作成した仮想マシンの状態

リストアしたディスクから作成した、仮想マシンの状態を確認します。
新規に仮想マシンが作成されています。
作成した仮想マシンに、リストアしたディスクが接続されている事が確認できます。

仮想マシンやディスクの所有者を確認
新規に仮想マシンが作成されています。
リストアしたディスクの所有者が、新規に作成した仮想マシンになっています。

ディスクをリストアしたジョブの詳細から仮想マシンを新規作成

ディスクをリストアしたジョブの詳細から、仮想マシンを新規作成します。
新規に作成する仮想マシン名はrestore-vm-03としています。
ディスクをリストアすると、テンプレートの情報なども同時に保存されます。
このテンプレート情報を利用して、リストアを行うことができます。

リストアしたジョブの詳細から仮想マシンを作成

Recovery Services コンテナーでディスクをリストアしたジョブの詳細を表示します。
VM作成テンプレートのデプロイを選択します。

VM作成テンプレートのデプロイを選択(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

カスタムデプロイの画面が表示されます。
インスタンスの詳細を確認します。
仮想マシン名を設定します。
確認と作成を選択します。

※設定を変更する場合はテンプレートやパラメータを編集します。
※インスタンスの詳細に表示されるリージョンはリソースグループのリージョンです。仮想マシンがデプロイされるリージョンとは異なる場合があります。

 

カスタムデプロイの設定画面(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)
テンプレートで仮想マシンのロケーションを確認(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)
カスタムデプロイの確認画面が表示されます。
設定内容を確認し、作成します。
カスタムデプロイの確認画面(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

リストアしたディスクから新規に仮想マシンを作成した場合のOS設定内容

リストア後の仮想マシンOSの設定内容を確認します。
新規に作成した仮想マシンのOSのホスト名は、リストア元の仮想マシンと同じホスト名になります。
別の仮想マシン名でリストアした場合は、仮想マシン名とOSのホスト名が異なる状態になります。
OSのログインユーザーやパスワードはリストア元の仮想マシンと同じです。

ホスト名で名前解決されるIPアドレスは、リストアしたディスクから作成した仮想マシンのIPアドレスとなります。
リストア後にOSでホスト名を修正します。

OSのホスト名やディスクの所有者を確認

新規に仮想マシンが作成されています。
リストアしたディスクの所有者が、新規に作成した仮想マシンになっています。

リストアしたディスクから作成した仮想マシン(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

仮想マシン作成後のリストアしたディスク(リストアしたディスクから仮想マシンを作成する手順)

リストア先の仮想マシン(restore-vm-03)

# ホスト名を確認
[root@vm-01 ~]# hostname
vm-01
[root@vm-01 ~]# hostname -f
vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net

# IPアドレスを確認
[root@vm-01 ~]#
hostname -I
10.xx.xx.6

# 名前解決を確認
[root@vm-01 ~]#
ping -c 1 vm-01

PING vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net (10.xx.xx.6) 56(84) bytes of data.
64 bytes from vm-01.internal.cloudapp.net (10.xx.xx.6): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.022 ms

— vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net ping statistics —
1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.022/0.022/0.022/0.000 ms
[root@vm-01 ~]# ping -c 1 restore-vm-03
ping: restore-vm-03: Name or service not known

リストア元の仮想マシン(vm-03)

# ホスト名を確認
[root@vm-01 ~]# hostname
vm-01
[root@vm-01 ~]# hostname -f
vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net

# IPアドレスを確認
[root@vm-01 ~]#
hostname -I
10.xx.xx.5

# 名前解決を確認
[root@vm-01 ~]#
ping -c 1 vm-01

PING vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net (10.xx.xx.6) 56(84) bytes of data.
64 bytes from vm-01.internal.cloudapp.net (10.xx.xx.6): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.022 ms

— vm-01.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xx.internal.cloudapp.net ping statistics —
1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.022/0.022/0.022/0.000 ms
[root@vm-01 ~]# ping -c 1 restore-vm-03
ping: restore-vm-03: Name or service not known

※リストア元の仮想マシン、リストアしたディスクから作成した仮想マシンの両方が起動した状態で確認しています。
※リストア後の仮想マシンでホスト名を修正した後は、リストア元の仮想マシンのIPアドレスが戻ります。

—広告—

その他のリストア方法手順

既存の仮想マシンのディスクを置換してリストアする方法もあります。
また、仮想マシンのバックアップからディスクをリストアする手順や、ファイルをリストアする手順もあります。
それぞれのリストア手順については、別の記事で紹介しています。

バックアップから新規に仮想マシンを作成して、リストアする方法についてはこちらで紹介しています。

既存の仮想マシンのディスクを置換してリストアする方法についてはこちらで紹介しています。

仮想マシンのバックアップから、ファイルをリストアする手順についてはこちらで紹介しています。

その他にバックアップジョブの監視設定方法や、仮想マシン作成時にバックアップ有効化する手順についてはこちらで紹介しています。

スポンサーリンク