Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのバックアップリストア手順
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのバックアップとリストア(復元)の概要と作業手順です。
リストアはバックアップデータを使用し、新しくリソースを作成する形になります。
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- 主な確認内容
- バックアップとリストアの概要や種類
- バックアップストレージ使用量の確認方法
- オンデマンド バックアップ手順
- 復元ポイントの確認方法
- リストア手順
- 主な確認内容
※本記事内では、Azure Database for MySQL Flexible ServerをAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーとして表記しています。
- 1. Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのバックアップ、リストアについて
- 1.1. 自動バックアップとオンデマンド バックアップの2種類
- 1.2. ローカル冗長、ゾーン冗長、geo冗長から選択
- 1.3. 初回バックアップはリソース作成直後に自動的に取得
- 1.4. リストア方法は大きく分けて2種類
- 1.5. ローカル冗長の場合は別リージョンへリストアできない
- 1.6. geo冗長の場合は別リージョンへリストアできる
- 1.7. 同じサーバー名ではリストアできない
- 1.8. リストア時に変更できないまたは引き継がれない設定がある
- 1.9. サーバー停止時はバックアップが取得されない
- 1.10. 復旧時間(RTO)
- 1.11. 目標復旧時点(RPO)
- 1.12. バックアップストレージ使用量の確認方法
- 2. Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーをオンデマンド バックアップ
- 3. Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリストア手順
- 4. 最後に
Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのバックアップ、リストアについて
自動バックアップとオンデマンド バックアップの2種類
バックアップには、自動バックアップとオンデマンド バックアップの2種類があります。
どちらもスナップショットベースで取得されます。
Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバーでのバックアップと復元
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- 自動バックアップ
- Azureプラットフォーム側で自動的に1日1度取得
- バックアップ保管期間は1日~35日で選択(デフォルトは7日間)
- バックアップ時間は指定できない
- オンデマンド バックアップ
- ユーザー自身が実行して取得
- バックアップ保管期間は自動バックアップと同じ期間(1日~35日)
- バックアップ時間は任意
- 最大50個まで取得可能
- 自動バックアップ
トランザクションログのバックアップは、プラットフォーム側で5分間隔で自動的に実施されます。
ローカル冗長、ゾーン冗長、geo冗長から選択
バックアップは、ローカル冗長、ゾーン冗長、geo冗長から選択できます。
可用性ゾーンがまだサポートされていないリージョンでは、ゾーン冗長は選択できません。
サーバー作成後にゾーン冗長やgeo冗長に変更することはできません。
geo冗長を利用した場合、バックアップストレージのコストは 2 倍になります。
初回バックアップはリソース作成直後に自動的に取得
サーバーのリソース作成直後に、自動バックアップが実行されます。
サーバーをリストアした場合も、同様に初回バックアップが自動的に取得されます。
リストア方法は大きく分けて2種類
ポイントインタイム リストアとgeo 復元の2種類です。
geo復元はgeo冗長ストレージとしてサーバーを構成した場合にのみ利用できます。
ポイントタイムリストアには3つのパターンがあります。
最速の復元ポイントを選択した場合、リストアにかかる時間は最短になりますが、トランザクションログは適用されません。
最新の復元ポイントの場合には、最新の状態に戻すか特定の日時に戻すかを指定できます。
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- 最速の復元ポイント
- 1日に1回取得される完全バックアップを利用してリストアします
- 最新の復元ポイント
- 最新の復元は、トランザクションログをすべて適用して、可能な限り現在の時点に近い状態までリストアします
- カスタム復元ポイントは、指定した日時までトランザクションログを適用してリストアします
- 最速の復元ポイント
ローカル冗長の場合は別リージョンへリストアできない
バックアップでローカル冗長を選択している場合は、別リージョンへのリストアはできません。
geo冗長の場合は別リージョンへリストアできる
geo冗長を設定している場合は、ペアリングされたリージョンにリストアできます。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーを利用できる他のリージョンに、サーバーをリストアできます 。
同じサーバー名ではリストアできない
バックアップデータを利用して、新たに Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリソースを作成します。
新規サーバーをデプロイする形になるため、同じサーバー名でのリストアはできません。
リストア時に変更できないまたは引き継がれない設定がある
リストア時には、コンピューティングとストレージで設定される内容(Geo冗長バックアップ設定を除く)については変更できません。
管理者アカウントも引き継がれ、リストア時には変更できません。
ネットワークやセキュリティ設定は変更できます。
リストア時に一部のサーバーパラメータ(time_zone、event_scheduler)は、デフォルト値に戻ります。
HA構成は無効化されます。
サーバー停止時はバックアップが取得されない
サーバー停止時にはバックアップが取得されません。
復旧時間(RTO)
RTOは、適用するログ量やデータベースの量によって異なるため、規定されていません。
Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバーでのビジネス継続性の概要
目標復旧時点(RPO)
コミットされたトランザクションではデータ損失が発生しないことが想定されています。
そのため、ローカル冗長の場合のRPOは0秒になります。
Geoリストアの場合、60分になります。
バックアップストレージ使用量の確認方法
バックアップストレージの使用量は、メトリックのBackup Storage Usedで確認できます。
バックアップ使用量 | |
メトリックでBackup Storage Usedを選択します。 バックアップストレージの使用量を確認できます。 |
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Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーをオンデマンド バックアップ
公式サイトの手順を参考にオンデマンド バックアップします。
Azure portal を使用して Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのオンデマンド バックアップをトリガーする
設定内容はバックアップ名だけです。
保管期間は自動バックアップの保有期間と同じになります。
オンデマンド バックアップ | |
バックアップと復元で今すぐバックアップを選択します。 バックアップ名を設定し、トリガーを選択します。 オンデマンド バックアップが開始されます。 |
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バックアップの取得が完了すると、バックアップ一覧に表示されます。 種類にはオンデマンド バックアップと表示されます。 |
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Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリストア手順
公式サイトの手順を参考にリストアします。
今回は最新の復元ポイントへリストアします。
Azure portal を使用した Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのポイントインタイム リストア
事前に準備したAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーを利用しています。
リストアを開始
リストアは概要やバックアップ復元メニューから開始できます。
リストアを開始 | |
概要やバックアップと復元のメニューで表示されている復元を選択すると、リストア作業を開始できます。 | ![]() |
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復元ポイントの選択
復元ポイントは、最新の復元ポイント、カスタム復元ポイント、最速の復元ポイントの3つから選択します。
※geo冗長を使ったリストアの場合、プライマリリージョンが復旧している必要があります。プライマリリージョンの状態に関わらずリストアする場合は、サーバーの構成でgeo冗長構成を無効にする必要があります。
リストアするサーバーの詳細や構成を設定
サーバー名、可用性ゾーンを選択します。
サーバーの構成の設定は、バックアップのgeo冗長性以外変更できません。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリストアを開始
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリストアは、リソースの新規作成になります。
リストアを開始 | |
設定内容を確認し、問題がなければ作成を選択します。 | ![]() |
リストア時にネットワーク設定やセキュリティ設定を変更できる
リストア時にネットワーク設定やセキュリティ設定を変更できます。
ネットワーク設定 | |
ネットワーク設定やセキュリティ設定を変更できます。 ※ファイアウォール規則の設定も引き継がれます。 |
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リストア後のリソース設定を確認
リストアした、Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリソースを確認します。
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最後に
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのバックアップリストアについて、概要や手順を確認しました。
リストアというと同じサーバーにデータベースを戻すイメージがありますが、バックアップデータを基に別のサーバー名でリソースを新規作成する形になることが確認できました。
HA構成など、リストア後に必要な設定もあり、リストア時にできないことやリストア後に必要な作業内容を把握しておく必要があると思いました。
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのレプリケーション設定については、こちらで紹介しています。
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーのバックアップリストアについては、こちらで紹介しています。