Azure FilesのNFSファイル共有をRocky Linuxからマウント
Azure FilesのNFSファイル共有作成からLinuxの仮想マシン(Azure VM)からマウントするまでの一連の手順の紹介です。
Azure上に作成したRocky Linuxの仮想マシンを利用して確認しています。
※本記事内ではAzure Virtual Machines(Azure VM)を仮想マシンとして表記しています。
※ストレージアカウントはPremium ファイル共有を利用しています。
※Rocky LinuxはRocky Linux release 9.5 (Blue Onyx)を利用しています。
※手順の確認はrootユーザーで実施しています。環境に合わせてsudoコマンド利用してください。
Azure FilesでNFSファイル共有を作成
Premium ファイル共有ではNFS4.1がサポートされている
Premium ファイル共有のストレージアカウントではNFS4.1をサポートしています。
Azure BLOB StorageでもNFSをサポートしています。
設定手順についてはこちらで紹介しています。
ストレージアカウントを作成
Azure Filesの作成手順についてはこちらで紹介しています。
ストレージアカウントの設定値
今回利用したストレージアカウントの設定値です。
仮想マシンからストレージアカウントへのアクセスは、サービスエンドポイント経由としています。
- 基本
区分 | 項目 | 設定値 |
インスタンス の詳細 |
ストレージ アカウント名 | stnfstestpremium01 |
場所 | Japan East | |
プライマリ サービス | Azure Files | |
パフォーマンス | Premium | |
冗長性 | LRS(ローカル冗長ストレージ) |
- ネットワーク
区分 | 項目 | 設定値 |
ネットワーク接続 | ネットワーク アクセス | 選択した仮想ネットワークとIPアドレスからのパブリックアクセスを有効にする |
仮想ネットワーク | 仮想ネットワーク | test-vnet-01 |
サブネット | vm-subnet-01 (仮想マシンのサブネット) |
※サービスエンドポイント経由で、仮想マシンからファイル共有へアクセスします。
※ネットワーク設定については公式サイトの注意書きを併せて参照します。
- データ保護
区分 | 項目 | 設定値 |
復旧 | ファイル共有の論理的な削除を有効にする | 無効(チェックを外す) |
※論理的削除の無効化設定は、NFSファイル共有の利用とは関係ありません。検証に必要ないため無効化しています。利用用途に合わせて設定します。
NFSファイル共有の設定値
検証用に作成した、NFSファイル共有の設定値です。
区分 | 項目 | 設定値 |
基本 | 名前 | nfs-share-01 |
サイズ(GiB) | 100 | |
プロトコル | NFS | |
ルートスカッシュ | ルートスカッシュなし |
※記事記載時点では、NFSファイル共有はAzure Backupを利用したバックアップはサポートされていません。
※Premiumのファイル共有の最低容量は100GiBです。
※パフォーマンスはファイル共有容量に応じて自動的に設定されます。
NFSファイル共有を作成
公式サイトの手順を参考に、ストレージアカウントにNFSファイル共有を作成します。
ファイル共有を作成 | |
ファイル共有を選択します。 |
|
基本タブです。 |
|
バックアップタブです。 |
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確認および作成画面です。 |
安全な転送が必須の項目が有効な場合はエラーとなる
NFSによるファイル共有の場合、転送中の暗号化はサポートされていません。
安全な転送の設定が有効化されている場合は、エラーとなります。
安全な転送が必須が有効時にはエラーとなる | |
安全な転送が必須が有効になっている場合はエラーが表示されます。 |
|
ストレージアカウントの構成を確認します。 |
※ Azure File NFSv4 マウントのTLS 暗号化機能については、AZNFS Mount Helperを参照します。
パブリックネットワークアクセスは利用できない
NFSによるファイル共有の場合、パブリックネットワークアクセスは利用できません。
選択した仮想ネットワークとIPアドレスから有効、もしくは無効を選択する必要があります。
プライベート エンドポイントまたはサービス エンドポイントを設定する
パブリックネットワークアクセス有効時はエラーになる | |
パブリックネットワークアクセスの設定で、すべてのネットワークから有効が選択されている場合はエラーが表示されます。 | |
セキュリティとネットワークの設定を確認します。 ※無効にした場合は、プライベートエンドポイント接続を設定します。 |
LinuxからNFSファイル共有をマウントするためのコマンドを確認
LinuxからNFSファイル共有をマウントするためのサンプルコマンドを確認します。
サンプルコマンドを表示 | |
Linuxディストリビューションを選択します。 ※Rocky Linuxの場合は、RHEL/CentOSを選択します。 |
|
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Rocky LinuxからAzure FilesのNFSファイル共有をマウント
公式サイトの手順を参考に確認を進めています。
チュートリアル: Azure Portal を使用して NFS Azure ファイル共有を作成し、Linux VM にマウントする
NFS Azure ファイル共有を Linux にマウントする
Rocky Linuxにnfs-utilsをインストール
NFSファイル共有をマウントするために必要となる、nfs-utilsをインストールします。
NFSファイル共有をマウントする、ディレクトリを作成します。
# NFSサーバを利用するために必要となるnfs-utilsをインストール # ディレクトリ(マウントポイント)を作成 |
Rocky LinuxからNFSファイル共有をマウント
Rocky LinuxからNFSファイル共有をマウントします。
mountコマンドで確認しています。
マウント状況は、dfコマンドを利用して確認しています。
# マウントコマンドを実行
[roo@test-vm-01 ~]# mount -t nfs stnfstestpremium01.file.core.windows.net:/stnfstestpremium01/nfs-share-01 /mount/nfs01 -o vers=4,minorversion=1,sec=sys,nconnect=4 # マウント状況を確認
[roo@test-vm-01 ~]#
df -h
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置 devtmpfs 4.0M 0 4.0M 0% /dev tmpfs 3.8G 0 3.8G 0% /dev/shm tmpfs 1.6G 17M 1.5G 2% /run /dev/mapper/rocky-root 8.9G 7.3G 1.6G 83% / ~(中略)~ stnfstestpremium01.file.core.windows.net:/stnfstestpremium01/nfs-share-01 100G 0 100G 0% /mount/nfs01 |
NFSファイル共有にファイル書き込み
マウントしたNFSファイル共有にディレクトリを作成し、ファイルを書き込んで確認します。
# ディレクトリ作成やファイル作成を確認 |
/etc/fstabにNFSファイル共有をマウントするエントリーを追加
OSを再起動した場合も、再マウントするようにfstabに設定を追加します。
/etc/fstab を使用して NFS 共有をマウントする
echoコマンドを利用して、fstabファイルにエントリーを追加しています。
マウントに失敗しても起動できるように、マウントオプションにnofailを設定しています。
# fstabに書き込み # fstabを確認 # OSを再起動 # 再起動後のマウント状況を確認 |
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最後に
Rocky Linuxをから、Azure FilesのNFSファイル共有をマウントする手順について確認してみました。
Azure Backupを利用したバックアップができないなど制限はありますが、NFSサーバーを立てる事なく利用できるのは便利かと思います。
引き続き色々試してみたいと思います。
Windows ServerからAzure Filesのファイル共有をマウントする手順についてはこちらで紹介しています。
Azure Filesのバックアップリストア手順についてはこちらで紹介しています。