Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーの概要、リソース作成手順
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーの概要から、リソース作成、リソース作成後の基本的な設定までの手順です。
基本的な設定では、メンテナンス時間の設定、データベース作成手順などを紹介しています。
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーについては、こちらで紹介しています。
※本記事内では、Azure Database for MySQL Flexible ServerをAzureDatabase for MySQL フレキシブル サーバーとして表記しています。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーとは
Azure Database for MySQLとは
Azure Database for MySQLは、PaaS(Platform as a Service)として提供されるリレーショナルデータベースサービスです。
MySQL Community Edition をベースとしています。
バックアップやパッチ適用といった運用作業も、プラットフォーム側のサービスとして提供されます。
※変更できないサーバーパラメータがあるなど、機能制限される部分があります。
Azure Database for MySQLの単一サーバーは廃止されています
Azure Database for MySQLでは、昔は単一サーバー、フレキシブル サーバーの2種類がありました。
現在は、フレキシブル サーバーのみが存在しています。
Azure Database for MySQL – シングル サーバーの現状
※単一サーバーは2024年9月16日に廃止されています。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーとは
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーは、データベース管理機能や運用管理機能がセットになったフルマネージドデータベースサービスです。
MySQL Community Edition をベースとしたデータベースや管理機能、パッチ適用、バックアップなどの運用管理機能がサービスとして提供されます。
ゾーン冗長、Geo冗長のバックアップ、レプリケーションといった高可用性な構成も可能です。
Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバーとは
イメージ的には、OSに触れることのない仮想マシン(Azure VM)に、MySQL、バックアップ、冗長化、パッチ適用といった運用がセットで構成されているサービスという所になります。
コンピューティングとストレージに対して課金が発生する
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーの課金は、コンピューティングに対する課金、ストレージに対する課金が発生します。
バックアップストレージに対する課金も発生します。
ストレージについては、IOPSに対して課金が発生します。
自動スケールによるIOPSと、事前プロビジョニング済みに追加したIOPSに対して発生する課金があります。
また、高可用性を有効にすると、課金は2倍となります。
停止することで課金を止めることができる
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーを停止することにより、コンピューティング層の課金を止めることができます。
ストレージに対する課金は、継続して発生するので、完全に課金が止まる訳ではありません。
Runbookを利用してAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーの起動停止をスケジュール化する方法については、こちらで紹介しています。
※停止後30日間経過したら、自動的に起動します。
リソース作成後に、サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長は変更できない
リソース作成後に変更できない設定内容があります。
サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長については、変更できません。
HA(高可用性)については、有効化と無効化を行うことができます。
リソース作成時のメッセージ | |
リソース作成時に注意メッセージが表示されます。 | ![]() |
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Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーの作成手順
公式サイトの手順を参考に、リソースを作成します。
クイック スタート:Azure portal を使用して Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーを作成する
各設定項目の詳細については、公式サイトをご参照ください。
作成したリソースの設定値
今回作成したAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーの主な設定内容です。
- 基本設定
区分 | 項目 | 設定値 |
サーバーの詳細 | サーバー名 | mysql-zabbix-01 |
MySQLバージョン | 8.0 | |
コンピューティング | Compute tier | バースト可能 B1ms(1 個の仮想コア、2 GiB RAM) |
ストレージ | ストレージ サイズ | 20GiB |
IOPS | 360 IOPS (事前プロビジョニング済みの IOPS) |
|
ストレージの自動拡張 | チェック無し | |
高可用性 | 高可用性 | 無効 |
高可用性モード | 無し | |
バックアップ | バックアップ保有期間 | 7日間 |
バックアップ冗長オプション (Geo 冗長性) |
チェック無し(ローカル冗長) |
- ネットワーク設定
区分 | 項目 | 設定値 |
ネットワーク接続 | 接続方法 | プライベート アクセス (VNET 統合) |
仮想ネットワーク | 仮想ネットワーク | クライアントのIPを許可設定 |
サブネット | ||
プライベート DNS 統合 | プライベート DNS ゾーン | mysql-zabbix-01.mysql.database.azure.com |
- セキュリティ設定
区分 | 項目 | 設定値 |
データ暗号化 | ユーザー割り当てマネージド ID | 未設定 |
※タグについては未付与としています。
リソースの作成時の画面
リソース作成は、5つのタブから構成されます。
-
- 作成タブ
- 基本:リソースサイズ、可用性、アカウント、バックアップなどのサーバー設定
- ネットワーク:ネットワークアクセス設定
- セキュリティ:カスタムマネージドキーを使ったデータの暗号化設定
- タグ:リソースに付与するタグの設定
- 確認および作成:作成前の確認画面
- 作成タブ
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリソース作成を開始
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリソース作成を開始します。
簡易作成、高度な作成の2種類あります。
今回は、高度な作成の手順を確認しています。
基本設定、サーバーの構成設定
サーバー名、リソースサイズ、可用性設定などAzure Database for MySQL フレキシブル サーバー自体の設定を行います。
-
- 基本設定:サーバー名やMySQLバージョンと言ったMySQL自体の設定
- サーバーの構成設定:リソースサイズ、高可用性などのリソース自体の設定
ネットワーク設定
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーへのアクセス制限を設定します。
アクセス制限は、接続方法、ファイアウォール規則、仮想ネットワークなどを組み合わせて設定します。
セキュリティ設定
カスタムマネージドキーを使用したデータ暗号化設定が可能です。
カスタムマネージドキーを使用したデータ暗号化の詳細については、こちらを参照してください。
カスタマー マネージド キー データ暗号化 – Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバー
セキュリティ設定 | |
ユーザー割り当てマネージド ID の設定や、利用する暗号化キーを選択します。 |
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※今回は、設定変更せずそのまま進めています。
リソースの作成確認画面
確認画面で設定内容を確認し、リソースを作成します。
確認画面 | |
確認画面です。 内容を確認し、問題がなければ作成を選択します。 |
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作成したリソースの設定を確認
作成したAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーの設定を確認します。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのバックアップリストア手順については、こちらで紹介しています。
メンテナンス時間の設定
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーでは、メンテナンス時間を1時間単位で選択できます。
Azure Database for MySQL での予定メンテナンス – フレキシブル サーバー
メンテナンス時間設定 | |
メンテナンスのメニューから設定できます。 カスタムスケジュールを選択すると、曜日と開始時刻を指定できます。 1時間単位での指定となります。 時間設定はUTCなので、注意が必要です。 |
![]() |
なお、メンテナンススケジュールの設定は、バースト可能なSKUではサポートされていません。 | ![]() |
サーバーパラメータを変更
Azure PortalやAzure CLIなどを使用して、サーバーパラメーターを変更できます。
Azure portal を使用して Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバーのサーバー パラメータを構成する
サーバーパラメータの変更 | |
サーバーパラメーターのメニューでは、サーバーパラメーターの一覧を表示できます。 サーバーパラメーターには、変更可能なものと変更できないものがあります。 サーバーパラメーターを変更して保存すると、サーバーが再起動されます。 再起動後に、変更内容がサーバーパラメーターに反映されます。 |
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Azure Portalからデータベースを作成
Azure Portalからデータベースを追加、削除できます。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーでデータベースを作成して管理する
データベースを作成 | |
データベースのメニューから追加を選択します。 また、ユーザーが作成したデータベースは削除することも可能です。 |
![]() |
![]() |
※データベースの追加は、Azure CLIなどのコマンドを使用して行うことも可能です。
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最後に
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーの概要からリソース作成、基本的な設定までの手順を簡単にまとめてみました。
コンピューティングサイズの選択、ストレージサイズ、ゾーン冗長なども簡単に設定でき、とても便利だと思いました。
ストレージサイズとIOPSを個別に設定できたりするのが使い勝手が良いと思いました。
メンテナンス時間の設定も可能なのが非常に良いと感じました。
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのバックアップ、リストア手順については、こちらで紹介しています。
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーの概要やリソース作成手順については、こちらで紹介しています。