Windows ServerからAzure Files(ファイル共有)をマウントして利用するための手順

2020-10-13Azure,Storage(Files,Blob),Windows

Windows Serverの仮想マシンから、ストレージアカウントのファイル共有(Azure Files)をマウントして利用する方法の紹介です。

※Windows Server 2025 Datacenterを利用して手順を確認しています。
※手順確認には、Azure上の仮想マシンを利用しています。
※本記事内ではAzure Virtual Machines(Azure VM)を仮想マシンとして記載しています。

スポンサーリンク

Windows ServerからAzure Files(ファイル共有)をマウントして利用

ストレージアカウントやファイル共有の設定内容

今回利用したストレージアカウントやファイル共有の主な設定内容です。
こちらの記事で作成したストレージアカウントを利用しています。
パフォーマンスや課金形態別に、ストレージアカウントの作成、ファイル共有の作成、クォータ設定などの手順を紹介しています。

StorageV2 (汎用 v2)のAzure Files(ファイル共有)を利用して手順を確認していますが、他のパフォーマンスレベルや課金形態の場合でも同様の手順となります。

  • ストレージアカウントの設定
区分 項目 設定値
インスタンスの詳細 ストレージ アカウント名 sttestxxxxxxxxxxx
場所 Japan East
プライマリ サービス Azure Files
パフォーマンス Standard(従量課金)
冗長性 LRS(ローカル冗長ストレージ)
  • ファイル共有設定
区分 項目 設定値
ファイル共有 名前 file-share
レベル ホット
クォータ 1GiB

PowerShellを使ってAzure Files(ファイル共有)をマウント

PowerShellを利用してマウント設定する事ができます。
PowerShellのスクリプトは接続の項目に記載されています。
Windows Server上で実行する事で、ネットワークドライブとしてマウントする事ができます。

※今回はストレージアカウントのアクセスキーを利用してマウントしています。

Windows ServerからAzure ファイル共有をマウント
ファイル共有で接続を選択します。 Azure Files(ファイル共有)で接続を選択

接続が表示されます。
ドライブ文字はOSでマウントする際のドライブレターです。
接続の認証方法は"ADもしくはMicrosoft Entra"か"ストレージアカウントキー"から選択します。
今回はドライブ文字には"Z"、認証方法にはストレージアカウントキーを選択します。

設定内容に基づいて、スクリプトが生成されます。
スクリプトの表示を選択して、PowerShellスクリプトを表示します。

Azure Files(ファイル共有)の接続の画面
Azure Files(ファイル共有)の接続用PowerShell

PowerShellスクリプトの設定内容です。
再起動時にもドライブが維持されるようになっています。
PowerShell内にストレージアカウントのアクセスキーや指定したドライブ文字が含まれています。

$connectTestResult = Test-NetConnection -ComputerName ストレージアカウント名.file.core.windows.net -Port 445
if ($connectTestResult.TcpTestSucceeded) {
# 再起動時にドライブが維持されるように、パスワードを保存する
cmd.exe /C “cmdkey /add:`"ストレージアカウント名.file.core.windows.net`" /user:`"localhost\ストレージアカウント名`" /pass:`"ストレージアカウントのアクセスキー`""
# ドライブをマウントする
New-PSDrive -Name Z -PSProvider FileSystem -Root “\\ストレージアカウント名.file.core.windows.net\file-share" -Persist
} else {
Write-Error -Message “Unable to reach the Azure storage account via port 445. Check to make sure your organization or ISP is not blocking port 445, or use Azure P2S VPN, Azure S2S VPN, or Express Route to tunnel SMB traffic over a different port."
}

※ストレージアカウントのアクセスキーを変更した場合は、接続エラーになるため再度設定が必要になります。

Windows Server上でWindows PowerShellを選択します。
警告画面が表示された場合は、強制的に貼り付けを選択します。

※権限を持つユーザーでPowerShellを実行します。

 

Windows Server 2025でWindows PowerShellを表示
Windows PowerShell貼り付け時の警告画面
Windows Serverのエクスプローラーで確認します。
ファイル共有が作成されている事が確認できます。
ドライブ文字もZとなっています。

Windows Server 2025のエクスプローラー画面(ファイル共有マウント状況を確認)
ファイル共有のプロパティを表示

仮想マシンからファイル共有へアクセスできない場合

仮想マシンからファイル共有へアクセスできない場合は、PowerShellスクリプト実行時にエラーメッセージが表示されます。
NSG(ネットワークセキュリティグループ)での445番ポート(SMB)のアクセスが許可状況や、ストレージアカウントのネットワーク設定を確認します。
また、ストレージアカウントのアクセスキーも確認します。
アクセス許可されてない場合は、設定を修正して仮想マシンからストレージアカウントのファイル共有への445番ポート(SMB)でアクセスできるようにします。

エラーメッセージ表示例
”New-PSDrive:アクセスが拒否されました。”とエラーメッセージが表示されます。 ファイル共有マウント時のエラーメッセージ表示例
CMDKEY: Credential added successfully.
New-PSDrive : Access is denied
At line:5 char:5
+ New-PSDrive -Name Z -PSProvider FileSystem -Root “\\sttest …
+ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
+ CategoryInfo : InvalidOperation: (Z:PSDriveInfo) [New-PSDrive], Win32Exception
+ FullyQualifiedErrorId : CouldNotMapNetworkDrive,Microsoft.PowerShell.Commands.NewPSDriveCommand

ネットワークドライブの割り当てを使ってファイル共有をマウント

Windows Serverのネットワークドライブの割り当てから、ファイル共有の設定をします。
ストレージアカウントのアクセスキーやファイル共有の共有URLを利用して設定します。

ネットワークドライブの割り当て
ストレージアカウントでアクセスキーを確認します。
アクセスキーを表示してコピーします。
ストレージアカウントのアクセスキー表示方法
ファイル共有のプロパティで共有URLを確認します。
共有URLはhttpsで表示されるので\\に置き換えます。
設定時にはには\\ストレージアカウント名.file.core.windows.net\ファイル共有名とします。
ファイル共有のプロパティを確認
ファイル共有のプロパティで共有URLを確認

エクスプローラーでPCを右クリックします。
ネットワークドライブの割り当てを選択します。
Windows Server 2025でネットワークドライブの割り当て

ネットワークドライブの割り当て設定です。
ドライブ文字とマウントするファイル共有のフォルダーを選択します。
フォルダーには共有URLを\形式に置き換えたもの設定します。
“別の資格情報を使用して接続する"にチェックを入れます。

完了を選択すると、ネットワーク資格情報の入力画面が表示されます。
パスワードには、事前にコピーしたストレージアカウントのアクセスキーを入力します。
“資格情報を記憶する"にチェックを入れます。
OKを選択します。

Windows Server 2025でネットワークを割り当て(フォルダーやドライブ文字を指定)
Windows Server 2025のネットワーク資格情報の入力画面
Windows Serverのエクスプローラーで、マウントしたファイル共有が表示されます。

Windows Server 2025のエクスプローラー表示画面(ファイル共有マウント後)

ファイルの書き込み確認

ファイルを新規作成して確認します。

ファイルの書き込み確認
ファイルを新規作成します。
ストレージブラウザーでファイルを確認すると、ファイル生成されている事が確認できます。
Windows Server 2025のエクスプローラーでファイルを作成
ストレージアカウントのストレージブラウザーで作成されたファイルを確認

—広告—

最後に

Windows Serverからファイル共有をマウントする手順をまとめてみました。
PowerShellのスクリプトも用意されており、簡単に設定できました。
引き続き色々試してみたいと思います。

こちらの記事ではAzure FilesのNFS共有をLinuxの仮想マシンからマウントする手順を紹介しています。

ファイル共有のバックアップリストア手順についてはこちらで紹介しています。

 

スポンサーリンク