Azure Monitorのアラート処理ルールを使った非監視設定(アラート通知を抑止)

2020-07-20Azure,Monitor

Azure Monitorのアラート処理ルールを使った、アラート通知の抑制(非監視)設定手順です。
アラート処理ルールのスケジュール設定についても確認しています。

Azure Monitorのアラート処理ルールを使って特定のリソースに対するアラート通知の抑制やアクションルールの適用が可能です。
例えば、毎週金曜日の夜に仮想マシンを再起動する場合、その時間帯だけアラート通知を停止する設定がアラート処理ルールで可能です。

アラート処理ルール(公式サイト)

仮想マシン(Azure VM)の起動に関するアラートを例に、アラート処理ルールを使用したアラート抑制(非監視)の設定手順を確認しました。

※本記事では、Azure Virtual Machines(Azure VM)を仮想マシンとして表記しています。

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Azure Monitorのアラート処理ルールって何?

アラート処理ルールはリソースをスコープとして指定して設定

アラート処理は、適用するスコープを指定して設定します。
例えば、特定の仮想マシンやリソースグループに対して適用します。
サブスクリプションを設定することもできます。

※スコープに、アラートルールを設定する場合は、フィルターを利用します。

アラート処理ルールでできることは抑制とアクション グループの適用の2つ

アラート処理ルールでできることは2つあります。

    • 抑制
      • アラートからすべてのアクション グループを削除
    • アクション グループの適用
      • 発生したアラートにアクション グループを追加

抑制はその名の通り、アラートの発動を止めます。
アクショングループの適用は、公式サイトに記載の通り、アクショングループが指定できない場合に使用します。
公式サイトに記載された内容以外にも、夜間のみ連絡先(アクショングループ)を追加するといった使い方もできます。

アラート処理ルールの適用スケジュールは設定できる

アラート処理ルールの適用スケジュールは、設定が可能です。

    • 常時
      • 常時適用されます
    • 特定の時刻
      • 指定した期間(日時)に一回のみ適用されます
    • 定期的
      • 日、週、月の単位で指定して、スケジュール設定します

アラート処理ルールを使ったアラート抑制(非監視)の設定

作成したアラート処理ルールの設定

今回は、仮想マシン起動時のアラートを抑制する設定(非監視設定)を行いました。
仮想マシンを対象にしたアラートの抑制になりますので、スコープにはVirtual Machinesを指定しています。

    • アラート処理ルール名:VM起動停止アラート抑止
    • スコープ(対象):Virtual Machines(TEST-VM-01)
    • ルールの種類:抑制
    • スケジュール:定期的(毎日10:00から20:00)

※スコープで設定したVirtual Machines(TEST-VM-01)を対象としたアラートルールをすべて抑止します。
※今回は単体の仮想マシンを指定していますが、サブスクリプションやリソースグループ単位での指定も可能です。
※仮想マシン起動時のアラートルールは事前に作成済みです。

アラート処理ルールを作成

仮想マシンを対象としたアラート処理ルールを作成します。

アラート処理ルールを作成
モニターのメニューでアラートを選択します。
アラート処理ルールを指定します。

アラート処理ルールの画面が表示されます。
作成を選択します。

スコープではアラート処理ルールを適用範囲の選択を行います。
リソースの種類でVirtual Machinesを指定します。
対象となるVMを選択します。

 

ルールの設定ではルールの種類を選択します。
今回は抑制を選択します。

スケジュールの設定ではアラート処理ルールを適用する日時を指定します。

  • 繰り返し間隔:日
  • 時間:10:00(開始)20:00(終了)

※日を選択すると、すべての曜日にチェックが入ります。

詳細タブでは、アラート処理ルール名や、保存するリソースグループを指定します。
リソースグループを指定した後、アラート処理ルール名を付与します。

確認画面が表示されます。
内容を確認し、問題がなければ作成を選択します。

アラート処理ルールが作成されます。

PowerShell使ったアラート処理ルールの作成

PowerShellを使ってアラート処理ルールを作成することもできます。
手順についてはこちらで紹介しています。

アラート処理ルールで使えるフィルターやスケジュール設定

フィルターを使ったスコープ設定

フィルターを使って、スコープ対象の制限をかけることができます。
たとえば、リソースグループ内の特定の仮想マシンのみを除外したいといった場合に、フィルターを使って除外することができます。
フィルターを使って、特定の仮想マシンのみを対象にする設定をします。

フィルターを使用したスコープ設定
スコープの選択でリソースグループを指定します。

フィルターでリソースを選択します。
演算子で次の値を含むを選択します。
値に"仮想マシン名”を指定します。

※除外する場合は、「次の値は含まない」とすることで設定できます。

フィルターは複数組み合わせて使える

複数組み合わせて、フィルター設定することができます。
フィルターを複数組み合わせた場合、AND条件で適用されます。
アラートルール名などの項目内で複数指定する場合は、OR条件になります。

複数組み合わせてフィルターの設定

フィルターでは、さまざまな条件を指定できます。
条件を追加することで、組み合わせて利用できます。

アラート処理ルールを1回のみ利用する場合は特定の時刻を選択

1回のみの場合は、スケジュールのルールの適用で特定の時刻を使用します。

特定の時刻を指定してスケジュール設定
ルールの適用で特定の時刻を選択すると、開始時刻と終了時刻を指定できるようになります。

定期的なスケジュールを作成して特定の曜日のみアラート処理ルールを適用

スケジュールのルールの適用で定期的を使用します。
毎週土日のみを指定する場合は、繰り返し間隔で週を選択します。

定期的なスケジュール設定(週)
繰り返し間隔で週を選択します。
曜日で土日を指定します。
土日のみに適用されるアラート処理ルールを作成できます。

定期的なスケジュールを作成して月の特定日のみアラート処理ルールを適用

スケジュールのルールの適用で定期的を使用します。
毎月1日、10日、20日といった特定の日付を指定する場合は、繰り返し間隔で月を選択します。
繰り返し間隔で月を選択すると、適用する日付の指定ができるようになります。

定期的なスケジュール設定(月)
繰り返し間隔で月を選択すると日付が選択できるようになります。
日付で適用する日を選択します。
プレビューを見ると適用される日付が分かります。

繰り返しを使った定期的なスケジュールを作成

スケジュールのルールの適用で定期的を使用します。
繰り返しの設定は複数組み合わせて使えます。
複数組み合わせて使う事で、より細かいスケジュール設定ができます。

定期的なスケジュール設定(繰り返し)

繰り返しを追加して、複数のスケジュールを組み合わせて設定ができます。
繰り返しごとに個別のスケジュール設定ができます。

最後に

仮想マシンの起動で試してみたところ、アラート自体は発砲されるものの、アクショングループの実行はされず、通知も来ませんでした。
定期的にメンテナンスで起動・停止する仮想マシンなどに適用すると、とても便利だと思います。
フィルターを使うと、さまざまな条件が設定可能なので、運用上とても便利な機能かと思います。

引き続き、いろいろ試してみたいと思います。

アクショングループの有効・無効化手順についてはこちらで紹介しています。

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